Vol.40(16年11月)

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第40回は『秋華』(あきばな)
水彩画の作品です。

奈良坂の道にそって建つ「般若寺」はコスモスの寺として有名です。
天平時代から平城京の鬼門を守る寺として栄えた寺も
治承4年(1180年)の平家の南都攻めの折に、
灰燼に帰したそうです。
鎌倉時代に再興された寺の、西門となる「楼門」は
国宝に指定されています。

楼門をくぐった先の境内に
一面に植えられたコスモスは美しく、
開花の時期には多くの観光客でにぎわいます。

秋桜」とも書くコスモスの花は、
深紅、淡紅、白と色は華やかですが、
細い線状の葉と、華奢に伸びた茎の先で風に揺れる花のすがたは
秋という季節だからか、少しもの悲しく感じられます。

古くからの歴史の中に佇むお寺の「楼門」を背景に、
華奢な花が咲き乱れる境内を描きました。

秋が深まってゆきます。

 

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