Vol.42(17年1月)

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第42回は『救衆』(くしゅ)
日本画の作品です。

奈良、薬師寺の東院堂にその「観音像」はあります。
薬師寺に行くと、金堂の薬師三尊像の迫力に
多くの参拝者は魅かれるかもしれません。
しかし東院堂に安置されている、白鳳時代を代表する「観音像」には
神秘さを感じます。

薬師寺聖観音菩薩立像」

はじめてこの「観音像」をじっくりと鑑賞したのは、
奈良国立博物館で開催された「大遣唐使展」で、
6年も前のことになります。
展示の方法が素晴らしく、「観音像」を身近に周囲から
観賞することができました。
信仰の対象である「観音像」を観賞とは、
バチが当たるかもしれません。
しかしこの企画展のおかげで、お堂の中で手を合わせるのとは異なる
「観音像」の神々しさを知ることができました。

さすがに「観音像」を絵画作品にすることは難しすぎますが、
仏画と異なる自分なりの作品づくりの参考にと考えての挑戦です。
手法は28回の『思惟』に、さらに下地に工夫をしてみました。

題名を『救衆(くしゅ)』としたのは、
「救世(くぜ)」= 観音菩薩のこと、世の衆生を救済する
の意味から、「救」と「衆」をいただきました。

本年が慈悲の力によって、人々が救われる年になりますように。

 

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