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Vol.29(15年12月)

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第29回は『柚』(ゆず)
日本画の作品です。

冬至に「柚湯」に入ると、
その冬は風邪をひかずに過ごせるといわれています。
柚の実はゴツゴツした表面が特徴ですが、
いただいた実には枝葉もついており、
葉の形状も魅力的です。

爽やかな香りの果皮は、
日本料理の引き立て役として珍重されています。
実の色合いと質感を表現するために
黄色、樺色系の一番粗い岩絵具を選んで
描いてみました。

一年の終わりは大晦日ですが、
冬至の翌日からは、一日一日、陽が長くなります。
「柚湯」に浸かり、本格的な寒さに備えるとともに、
今年の過ぎ越し時を振り返るのも良いものです。

 

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Vol.28(15年11月)

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第28回は『思惟』(しゆい)
日本画の作品です。

仏画」を描いてみたいと思いました。
早速「仏画」を調べてみると、
仏教の礼拝・儀式で使用される絵画」とのこと。
仏教の教えや決まりごとを、線の表現を活かして描いた「仏画」は、
仏教が伝えられた古くから寺院の壁画などに描かれ、
修錬されて今日に受け継がれています。

難しい!
結局「仏画」は別の機会に挑戦することにして、
仏像を描くことにしました。
仏像の作品は、第20回で『如来』を紹介しましたが、
今回は『半跏思惟像(はんかしゆいぞう)』で
新しい表現を試みました。

奈良・斑鳩中宮寺にある『半跏思惟像』は有名です。
視線を落として思索するまなざし、慈しむ微笑み、
曲げた右手の指先は頬にやさしく触れそうです。
飛鳥時代の木造彫刻は千三百余年の時を経て、
神秘的に佇んでいます。

皆が知っているテーマを作品にするには、写実に徹するか、
対象が持つ雰囲気をあえて抽象的に描くかです。
悩んだ末に、
写実をベースに日本画の手法で『半跏思惟像』が放つ
やさしさの表現に挑みました。

 

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Vol.27(15年10月)

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第27回は『初秋』(しょしゅう)
日本画の作品です。

秋を迎えた釧路の湿原は、厳しい冬の原野を想像できない
爽快な景色が広がっていました。
ゆったりと流れる川、
遠くまでつづく湿原、
湿原特有の木々、
かなたに悠に望む山々、
広い空、
北海道の自然は、日本人の感性に合った雄大さが魅力です。

団体旅行で訪れた展望台からの眺めは、
限られた時間の中で、印象を焼き付けるには十分な感動でした。

今月のHOTLINE さんの「いいね!」に、
「UZLA SKETCH SELECTION」として6点のスケッチを
載せていただきました。
そのひとつ『釧路湿原』が『初秋』の下絵になります。

 

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Vol.26(15年9月)

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第26回は『映緑』(えいりょく)
水彩画の作品です。

絵画作家が同じ対象を題材に作品を創ることは多々あります。
人物、静物や風景を対象に創作を進めていく過程で、
表現の可能性が無限に閃いてくるからでしょうか。
対象を熟知すればするほど、作者の表現したい
主題や表現方法へのウェイトの掛け方が増やせます。

創作活動は自己の表現です。
対象の選択は、表現に適したものを意識的に、
時には無意識に近い状態で選んでいます。

浄瑠璃寺」は、私にとって自己表現しやすい対象のひとつです。
季節、時間、天候、音、歴史、思想、環境・・・
表現したい思いにこれらの要素を加えると、可能性が膨らみます。

結果、当尾の里に足繁く通い、多くのスケッチを行ってきました。

深緑の中にひっそりと佇むお寺は創作の意欲を駆りたて、
またひとつ、自己を表現する対象となりました。

 

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Vol.25(15年8月)

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第25回は『稜風』(りょうふう)
水彩画の作品です。

「三州街道(国道153号線)」は別名「伊那街道」とも呼ばれ、
中山道塩尻宿から伊那谷を下り岡崎に至る、
信州と三河を結ぶ古くからの道です。
この街道の最も高い峠が「治部坂峠」。
峠の一帯が「治部坂高原」で、南信州に位置します。
高原は春、夏、秋は木々の色彩と草原の花が美しく、
冬はスキーが楽しめます。

この高原の一角、標高1200mの地に小さな美術館があります。
白樺の樹に囲まれた静かな美術館のテラスで、飲むコーヒーも素敵です。

尾根を越えて爽やかに吹き降りてくる風を楽しみながら
「高原の美術館」をスケッチしました。

 

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Vol.24(15年7月)

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第24回は『東塔』(とうとう)
水彩画の作品です。

堂内には過去世から現世へ送り出してくれる遣送(けんそう)仏、
薬師如来が安置されている三重塔は、
総高約16mと小さな塔です。
この塔が宝池(ほうち)に檜皮葺の三層屋根の
やさしい姿を映す景色は、心がやすらぎます。

『無彰庵だより』に三回も登場させた、
「小田原山法雲院浄瑠璃寺」の『九体阿弥陀堂』は
宝池を挟んで真西に建っています。
春と秋のお彼岸に、東の三重塔から上った太陽は
宝池をこえて西の阿弥陀堂に沈みます。
この浄土信仰を具現化した寺の境内で静かに筆を走らせていると、
時の経過を忘れさせてくれます。

 

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Vol.23(15年6月)

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第23回は『廿日草』(はつかぐさ)
日本画の作品です。

廿日草はボタンの別名です。
最初の花が咲き、最後の花が散るまで二十日間、
長安の人々が熱烈に愛でたボタン。
廿日草の名は白居易の「牡丹芳」
「花開花落二十日 一城之人皆若狂」
(花開き花落つ 二十日 一城の人 皆狂へるが若し)
から来ているそうです。
確かにつぼみがだんだん膨らんで、やっと咲いたと思ったら
二十日も持たずに、打ち重なるように散るはなびらは
花が豊麗なだけに、より憂いを感じさせます。

ボタンのスケッチは幾度も試みますが、
いつもいのちの美しさに追われているようで、
満足なこたえを見つけられません。

この作品も花言葉「王者の風格」を感じさせる
満開を待てずに書きました。

 

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