Vol.16(14年11月)

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第16回は『紅葉』(もみじ)
日本画の作品です。

古より歌に詠まれている「竜田川」は、「紅葉」の名所です。

ちはやぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは
在原業平古今和歌集

嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり
能因法師(後拾遺和歌集

この二首は、
川一面に映る「紅葉」
川一面を覆い尽くし流れる「紅葉」
「錦」にたとえられる「紅葉」を思い描かせます。

赤ちゃんの手のひらにもたとえる「もみじ」は
カエデ科カエデ属
しげしげとながめると、5裂または7裂で美しいかたちをしています。
さらに魅力は黄、橙、赤、深紅と暖色系の多彩な色でしょう。
春の新緑、夏の深緑も良いのですが、秋が深まり
梢から離れる前に燃え上がる色彩は格別です。

「紅葉」を描きたいと思い、竜田川を訪ねました。
あいにく台風の影響を受けた天候で、川の流れは激しく
肝心の「もみじ」は、色づくには少し早かったようです。
「紅葉」と静かな流れに思いを馳せ
今回の作品にしました。

 

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