Vol.18(15年1月)
第18回は『靜淸』(せいせい)
日本画の作品です。
平成27年 乙未(きのとひつじ)の年の初めは
『靜淸』という題名の作品にしました。
ちなみに広辞苑で「せいせい」を引くと、
「井井」から「斉整」まで24点ありますが、
「静清」ということばはありません。
題名の意味は「しずかできよらかなさま」
今年が「しずかできよらかなとし」を願いました。
描かれている御堂は、
『小田原山 浄瑠璃寺 九体阿弥陀堂』
「無彰庵だより」では3回目の登場です。
本堂の九体の阿弥陀如来坐像には、
一体一体に板扉が配されています。
彼岸会法要の時に板扉が開けられ、
夕闇の中、宝池の水面に九体の金色の仏像が映るそうです。
この寺の伽藍が出来上がった平安時代、
池は九体阿弥陀堂のぎりぎりまで迫り、
さらに御堂を回り込むように構成されていたようです。
池に映る極楽浄土を演出していたのでしょう。
残念ながら彼岸会法要は非公開なので、
作品の情景を実際に見ることはできませんでしたが、
足繁く通って写生した御堂の姿から想像して、
法会の雰囲気を絵にしました。
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