Vol.43(17年2月)

第43回は『夕愁』(せきしゅう) 日本画の作品です。 今から402年前、元和元年(1615年)4月 豊臣秀吉が建て、桃山時代の栄華の象徴だった「大坂城」は 灰燼と帰しました。 現在の大阪城の石垣や堀は徳川幕府の手によるもので、 大阪のシンボルの…

Vol.42(17年1月)

第42回は『救衆』(くしゅ) 日本画の作品です。 奈良、薬師寺の東院堂にその「観音像」はあります。 薬師寺に行くと、金堂の薬師三尊像の迫力に 多くの参拝者は魅かれるかもしれません。 しかし東院堂に安置されている、白鳳時代を代表する「観音像」には…

Vol.41(16年12月)

第41回は『優華』(ゆうばな) 日本画の作品です。 「トルコギキョウ」の花言葉は、 「優美」「すがすがしい美しさ」「希望」 「良い語らい」「思いやり」などだそうです。 たしかに花屋の店先で見られる可憐な花は、優しさを感じます。 茎から分かれた枝…

Vol.40(16年11月)

第40回は『秋華』(あきばな) 水彩画の作品です。 奈良坂の道にそって建つ「般若寺」はコスモスの寺として有名です。 天平時代から平城京の鬼門を守る寺として栄えた寺も 治承4年(1180年)の平家の南都攻めの折に、 灰燼に帰したそうです。 鎌倉時…

Vol.39(16年10月)

第39回は『均衡』(きんこう) 水彩画の作品です。 深い意味もなく、絵の中で緊張感を表現したいと思い 身近にありそうな材料で“バランス”をテーマに 絵を構成しました。 “転がる、落ちる”イメージのりんごを アルミ製の尖った台の上に水平に乗せた板に置…

Vol.38(16年9月)

第38回は『臨海』(りんかい) 水彩画の作品です。 数年前になりますが、友人に誘われて 大阪湾をヨットで北上したことがありました。 和歌山県の和歌浦を朝、出帆したヨットは 加太と地ノ島の間を抜け 関空橋の下をくぐり 目的地の堺港に到着したのは、日…

Vol.37(16年8月)

第37回は『睡蓮』(すいれん) 日本画の作品です。 夏、未の刻(午後1時~3時)に咲くから「未草(ひつじぐさ)」 また花が昼に咲き、夜は閉じるから「睡蓮(すいれん)」 「スイレン」は、日本では1種類のみが自生し、 世界の野生種は40種くらいある…

Vol.36(16年7月)

第36回は『蓮華』(はすばな) 日本画の作品です。 ハスやスイレンを指して「蓮華(れんげ)」というそうです。 夏の朝、泥水の中から伸ばした茎の先の、尖ったたまご型のつぼみが こぼれるように花びらを開くハスは神秘性を感じさせます。 「蓮は泥より出…

Vol.35(16年6月)

第35回は『果実』(かじつ) 日本画の作品です。 日本画で少し作風を変えてみたいと思い リキュールグラスに果実酒を入れ、 ぶどうを並べました。 「果実」と「果実酒」 素直に絵にしたらどのような表現ができるのか、 背景は黒 グラスもハイライト表現で…

Vol.34(16年5月)

第34回は『深見草』(ふかみぐさ) 水彩画の作品です。 深見草はボタンの別名のひとつです。 日本画に「牡丹」という名の絵の具(顔彩)があります。 濃い赤紫のこの色は「花王」のボタンを表現するのに ぴったりの色です。 赤紫の花色も好きですが、白色…

Vol.33(16年4月)

第33回は『爛熳』(らんまん) 日本画の作品です。 さくらは日本画の題材としてよく描かれます。 描いてみたのは枝垂れ八重桜です。 さくらの枝にメジロを配してみました。 メジロの名前の由来は眼のまわりが白いので「目白」、 また、刺繍の縫い取りのよ…

Vol.32(16年3月)

第32回は『木蘭』(もくれん) 日本画の作品です。 日本画の巨匠の一人「橋本関雪(1883~1945)」が 審査委員をつとめた、第12回文展(文部省美術展覧会)の 出展作品に「木蘭(Mu Lan)」があります。 中国の伝承文芸の「木蘭詩」を題材とした大作です…

Vol.31(16年2月)

第31回は『南天』(なんてん) 日本画の作品です。 『なんてん』 音が「難転」すなわち「難を転ずる」に通じることから 縁起木として愛されてきました。 福寿草とセットで生けると「難を転じて福となす」とも いわれています。 立春を前にした「節分」 厄…

Vol.30(16年1月)

第30回は『胡蝶』(こちょう) 日本画の作品です。 「胡蝶蘭」は牡丹や薔薇のように華やかさがあります。 そして品を感じるのは胡蝶蘭の方ではないでしょうか。 蝶が舞うような花の姿は優美です。 フィリピンや台湾の湿った岩壁などに生えていたものが、 …

Vol.29(15年12月)

第29回は『柚』(ゆず) 日本画の作品です。 冬至に「柚湯」に入ると、 その冬は風邪をひかずに過ごせるといわれています。 柚の実はゴツゴツした表面が特徴ですが、 いただいた実には枝葉もついており、 葉の形状も魅力的です。 爽やかな香りの果皮は、 …

Vol.28(15年11月)

第28回は『思惟』(しゆい) 日本画の作品です。 「仏画」を描いてみたいと思いました。 早速「仏画」を調べてみると、 「仏教の礼拝・儀式で使用される絵画」とのこと。 仏教の教えや決まりごとを、線の表現を活かして描いた「仏画」は、 仏教が伝えられ…

Vol.27(15年10月)

第27回は『初秋』(しょしゅう) 日本画の作品です。 秋を迎えた釧路の湿原は、厳しい冬の原野を想像できない 爽快な景色が広がっていました。 ゆったりと流れる川、 遠くまでつづく湿原、 湿原特有の木々、 かなたに悠に望む山々、 広い空、 北海道の自然…

Vol.26(15年9月)

第26回は『映緑』(えいりょく) 水彩画の作品です。 絵画作家が同じ対象を題材に作品を創ることは多々あります。 人物、静物や風景を対象に創作を進めていく過程で、 表現の可能性が無限に閃いてくるからでしょうか。 対象を熟知すればするほど、作者の表…

Vol.25(15年8月)

第25回は『稜風』(りょうふう) 水彩画の作品です。 「三州街道(国道153号線)」は別名「伊那街道」とも呼ばれ、 中山道塩尻宿から伊那谷を下り岡崎に至る、 信州と三河を結ぶ古くからの道です。 この街道の最も高い峠が「治部坂峠」。 峠の一帯が「…

Vol.24(15年7月)

第24回は『東塔』(とうとう) 水彩画の作品です。 堂内には過去世から現世へ送り出してくれる遣送(けんそう)仏、 薬師如来が安置されている三重塔は、 総高約16mと小さな塔です。 この塔が宝池(ほうち)に檜皮葺の三層屋根の やさしい姿を映す景色…

Vol.23(15年6月)

第23回は『廿日草』(はつかぐさ) 日本画の作品です。 廿日草はボタンの別名です。 最初の花が咲き、最後の花が散るまで二十日間、 長安の人々が熱烈に愛でたボタン。 廿日草の名は白居易の「牡丹芳」 「花開花落二十日 一城之人皆若狂」 (花開き花落つ …

Vol.22(15年5月)

第22回は『緋縞』(ひじま) 日本画の作品です。 つばきを描いてみました。 「紅乙女(こうおとめ)」、「侘助(わびすけ)」、 「卜伴(ぼくはん)」、「加茂本阿弥(かもほんなみ)」、 「越の吹雪」、「獅子頭(ししがしら)」など 名前を見ただけでも…

Vol.21(15年4月)

第21回は『凛』(りん) 日本画の作品です。 薔薇は私の絵心を誘います。 結果、多く描いています。 この花の魅力は、品種の多さでしょうか。 長い歴史、人々の手を経て美しさと香りを競う 多くの品種が生まれ、私たちを楽しませてくれます。 「一輪」の薔…

Vol.20(15年3月)

第20回は『如来』(にょらい) 日本画の作品です。 「無彰庵だより」で5点、「寺院」を描いた作品を紹介してきました。 今度は堂内に鎮座した「仏像」です。 静止したテーマなのですが、動きのある「人物画」や「動物画」とは 違った難しさがあります。 …

Vol.19(15年2月)

第19回は『星華』(ほしばな) 水彩画の作品です。 ブライトローズにバイオレットが混ざったような色の花びらを たくさんつけた「デンドロビウム」の リップの淡いクリーム色が星のように見えます。 絵の題材として「花」は、本当に魅了されます。 鮮やか…

Vol.18(15年1月)

第18回は『靜淸』(せいせい) 日本画の作品です。 平成27年 乙未(きのとひつじ)の年の初めは 『靜淸』という題名の作品にしました。 ちなみに広辞苑で「せいせい」を引くと、 「井井」から「斉整」まで24点ありますが、 「静清」ということばはあり…

Vol.17(14年12月)

第17回は『初冬』(しょとう) 日本画の作品です。 長崎県佐世保港の外側から北へ25kmにわたり 島々が点在する海域が「九十九島」です。 「外洋性多島海景観」を特色とする「西海国立公園」の 一部であり、島の密度は日本一だそうです。 初冬の夕暮れ…

Vol.16(14年11月)

第16回は『紅葉』(もみじ) 日本画の作品です。 古より歌に詠まれている「竜田川」は、「紅葉」の名所です。 ちはやぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは 在原業平(古今和歌集) 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり …

Vol.15(14年10月)

第15回は『滝響』(そうきょう) 水彩画の作品です。 苗名滝(なえなたき)は、長野県と新潟県の境にあり、 「日本の滝百選」に選ばれています。 米どころの高田平野を流れる関川の上流にあるこの滝は 落差55mで、瀑布の轟が地震にたとえられて 「地震…

Vol.14(14年9月)

第14回は『茨』(いばら) 日本画の作品です。 「茨の花」は「薔薇」とともに夏の季語です。 「茨」といえば、初夏の白い五弁花の野薔薇を思い浮かべます。 この作品は「薔薇」と題すべきでしょうが、 創作中から「茨の花」や「茨の実」という言葉が浮かん…

Vol.13(14年8月)

第13回は『雨過ぎて』(あめすぎて) 水彩画の作品です。 丹後半島の東端にある伊根町は、湾に面して230軒あまりの 「舟屋」が建ち並ぶ風景で有名です。 舟屋は海際に建てられて、1階は船揚場、物置、作業場など、 2階は生活の場だそうです。 海と山…

Vol.12(14年7月)

第12回は『映夏』(えいか) 水彩画の作品です。 2013年11月の私にとって4回目となる作品は 「小田原山 浄瑠璃寺」の本堂「九体阿弥陀堂」描いた 『西堂』を紹介しました。 今回の『映夏』も同じ写生地です。 紅葉の「浄瑠璃寺」は素敵ですが、夏の…

Vol.11(14年6月)

第11回は『花菖蒲』(はなしょうぶ) 日本画の作品です。 「あやめ」「杜若」「花菖蒲」「しゃが」「いちはつ」 みんな「アヤメ科」の花たちです。 奈良の「春日大社 神苑 萬葉植物園」には約300種の 萬葉植物が植栽されています。 すべての花菖蒲の原…

Vol.10(14年5月)

第10回は『円堂』(えんどう) 水彩画の作品です。 奈良にはいくつかの「円堂」があります。 有名な法隆寺夢殿をはじめ、法隆寺西円堂、 興福寺北円堂、興福寺南円堂、五條・榮山寺円堂。 これらは平面が八角形の「八角円堂」です。 どのお堂も魅力的な形…

Vol.9(14年4月)

第9回は『春色』(はるいろ) 水彩画の作品です。 京都下鴨の京都府立植物園に 山城盆地の貴重な自然林が残された「なからぎの森」が、 池に囲まれてあります。 池には水鳥が飛来するので、この日も決定的な写真を撮ろうと 数名の野鳥写真愛好家が詰めてい…

Vol.8(14年3月)

第8回は『冬堂』(とうどう) 水彩画の作品です。 今年の冬は、特に寒さが厳しく感じられます。 冬のお寺の佇まいを描きたいと思い、 「靈山寺」に出かけたのは、立春の近い寒い日でした。 「登美山鼻高 靈山寺(とみやまびこう りょうせんじ)」 奈良の西…

Vol.7(14年2月)

第7回は『三彩』(さんさい) 水彩画の作品です。 水彩絵の具は私の好きな画材です。 いろいろな表現が、比較的簡単にできるのが魅力でしょうか。 画面に対象だけを強調して描いてみたいと思い、挑戦しました。 描きたかったのは、京焼の「三彩鶴首花瓶」で…

Vol.6(14年1月)

第6回は『薫華』(かおりばな) 日本画の作品です。 新しく清々しい朝、凛とした空気の中でかすかに薫る 蘭のかおりは良いものです。 「風」は絵になりますが、 「音」や「味」や「かおり」は難しいと思います。 特に「かおり」は対象が放つ薫りを観る人に…

Vol.5(13年12月)

第5回は『冠雪(かんせつ)』 日本画の作品です。 信州の北端に、神話の昔「天の岩戸」が飛来した姿の 「戸隠山」があります。 戸隠山の麓の戸隠神社は「天の岩戸開き」に功績のあった 神々をお祀りしているそうです。 戸隠山を中心に連なる「戸隠連峰」は…

Vol.4(13年11月)

第4回は『西堂(さいどう)』 水彩画の作品です。 『西堂』。正式には『九体阿弥陀堂』 京都と奈良の間、当尾の山間に静かに佇む 『小田原山 浄瑠璃寺』の本堂です。 『九体阿弥陀堂』の名前のとおり 堂内は九体の阿弥陀如来坐像が並んでいます。 平安時代…

Vol.3(13年10月)

第3回は『黄昏(たそがれ)』 今回は水彩画の作品です。 創作活動をするときに、「最初に題名があることが大切だ」と 聞いたことがあります。 作品で何を表現するかが創作なのでしょうか。 『黄昏』を表現したいと思い、以前にスケッチした道東の湿原を 材…

Vol.2(13年9月)

第2回は『偲華(しのびばな)』 今回も小さな麻紙ボードに日本画の絵の具を使いました。 秋のお彼岸(秋分)のころ、田んぼのあぜ道や土手に、 急に赤く燃え上がるように咲く「彼岸花」は「曼珠沙華」の 別名とも相まって、「彼岸」のことを思い起こします…

Vol.1(13年8月)

趣味で描いている作品を投稿して、 作品への思いをお伝えできればと思っています。 第1回は『薔薇』 小さな麻紙ボードに日本画の絵の具を使って、 一輪の開花したバラを画面の紅に溶け込ませてみました。 バラは棘があるせいか、少し人を寄せ付けない“凛”と…